種々雑食

好きなコトだけ。

生きることに目標は必要ですか?

 東南アジアの中途半端な片田舎に住んでいると色んな種類の人達と出会う。月収レベルで軽く10倍以上違う人達がわちゃわちゃしてる。方や未だに携帯電話も持たずバラックでその日暮らしをする人達、方や都会で仕事をしポルシェに乗り月に一度はシンガポールや東京へ海外出張を繰り返す人達。もちろんその中間層もいるけれど日本にいるときと比べると両極端な人達に遭遇する確率は高い気がする。中心部行くと更なる超弩級の金持ちも多い。友人にそういう人種がいてその人の紹介で会う人達はホントにとんでもない。正に桁が違う金持ちだ。もちろんほとんどが華僑。

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 この国では主従の関係がものスゴくはっきりしてる。ボスは完全にボス。スタッフを奴隷のように扱うこともある。でもスタッフもそういうものだとわかっているので淡々と仕事をこなす。心の中まではわかんないけれど俺が感じるほどには彼ら彼女らは感じていないように思える。日々の仕事をこなし屋台で飯を食い眠る。子供が生まれて喜ぶ。たまの休みに家族でショッピングセンターに行きごはんを食べる。向上心というか出世欲も無く淡々と生きている様に見える。

 昔聞いた笑い話にこんなのがあった。

 とある50過ぎの男がいた。男は若い頃からがむしゃらに働き一代で莫大な財を成した。若くして成功を収めた後も働き続け先日ついにリタイア。仕事のし過ぎで奥さんには三行半を突きつけられたので、財産を処分して南の島で悠々自適な暮らしを始めていた。男はその島で若い男・トビーと仲良くなった。男はトビーに問うた。

 「トビー、君はいつもぶらぶらしているね」
 「そうかい?」

 聞くとトビーは朝起きて適当な時間に海に行きいくばくかの魚を穫り市場へ持って行って生計を立てているという。午後は特に何もせずギターを弾いたり子どもの世話をしたり、奥さんや近所の家族と食事をしたり。夜になれば少々の酒盛りをして眠くなったら寝るという生活。

 「そうかそんな暮らしなのか。しかし君には漁を獲る技術がある。よし、それならば…」

 実業家の男はトビーにアドバイスを始めた。まず漁獲高を上げるために船を改良し、仲間を集めて会社を作る。会社ができたら加工品の工場も作る。そして海外へ輸出なども考えればいい…話はドンドンと大きくなる。

 「ダンナ、会社ってのを作るとどうなるんだね?」
 「儲かるんだよ。金がドカンと入ってくる。」
 「金があったらどうなる?」
 「俺みたいになれるよ」
 「ダンナみたいに?」
 「そうさ!好きな時間に起きて、豊かな食事をし、時には釣りに出かけたり。もちろん仲間と遊んだり、夜にはとびきり美味しい酒を飲んで、眠くなったら満天の星空を見ながら、ゆっくりと眠れるんだよ…」

 

 東京にいる時は自分の立ち位置を確認するというか思い知らされる場面は意外と少なかった。ド金持ちもド貧乏もテレビの中で観るものだった。とはいえ俺はギャンブル好きだったし借金もあったし完全なるDQNなのでずっと最下層部分で生きてきていてド貧乏に関してはそれなりに見てきたし体験してきた。貧乏はツライ。どんどんネガティブになるし。ネガティブになってることにすら気付かない。ツライとかも忘れてたりして気が付くと休みは2週間に1回で14時間労働とかして体壊したり。生きるために仕事というか金を作るという感じ。その結果体壊すとか意味わからない。しかもそのなけなしの金をギャンブルに使っちゃったりしてたんだからどん詰まる。ギャンブルは今はもうやってないけどね。

 こっちにいると貧乏がデフォルトっぽい感覚になることがある。月収1~3万円なんて人々がニコニコ暮らしてる。仕事が嫌だとすぐ辞めちゃうし明日のことなんて考えてそうにもない。もちろんみんな金は欲しい。貧乏は嫌だという。でもそれなりに満足はして暮らしているように見える。人の生き死にも日常に溶け込んでいる気がする。親も結構早めに亡くなる人が多い。誰それの親御さんが亡くなったよ。へー。みたいなのは日々聞く。病院で様々な管に繋がれながら死ぬ人は少ない。そもそも病院に長々と入院できるだけの金も無い。

 生まれてきて、生きるために仕事をしている。生まれるところは選べない。それはこっちの人達も同じだと思う。でもなんか違う。何が違うんだか未だに見えないんだけど違う。日本とここ、東京とこの片田舎、どっちがいいのかもわからない。何のために生きているのかもわからない。生きることに目的は必要なんだろうか。