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ドラマチック!永世七冠・羽生善治の妙手・5二銀の素晴らしさ!

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 羽生善治といえば将棋を知らない人たちにでも名前の通じる唯一の棋士ではないか。競馬界で言う武豊の様な感じだ。そういえば、二人は沈着冷静ながらも時に大胆な手を打ち、年齢もほぼ一緒(武1969年3月・羽生1970年9月)で数々の記録を塗り替え、そのジャンルの顔となり、ふと地味目なアイドルを嫁さんにもらったりと似ている所が多い。先日は棋聖戦を制しタイトルを防衛した羽生氏だが、こちらも天才と言われる永世竜王・渡辺明がこんな風に話していたという。

「天才肌ですよ。いやボクも天才とよく言われるんですけれど、羽生さんは天才肌だとボクは思いますね。多分、他にあんまりこのヒト天才肌という人はいないですかね。羽生さんは天才肌だと思います。
何かいいとこいいところにこう・・・何と言うか説明が難しいんですけれど、当然勝率は高いわけじゃないですか、それで勿論技術的に強いんですけれど、まぁそうは言っても羽生さんも技術的にカバーできないところがあったとしても、結果的にもう勝つような手順にいっているみたいなところですよね。まぁそれを全て読みきってやっているわけではないのは分かるんですけれど。
最初は本当にはじめて対戦する時はもう緊張して目の前に羽生さんがきた段階で、もうさっきの福永さんのダービーのアレじゃないですけれど、のまれますよね。二回目以降は少しは指せるようになりましたけれど。よく羽生さんの将棋ってどういう将棋かと聞かれて困るんですよね。個性がないので。弱点がないんですよね。」

ものぐさ将棋観戦ブログ : 渡辺明の羽生善治観―SWITCHインタビュー達人達 福永祐一×渡辺明より

 「ボクも天才と言われるんですけど」とサラっと言っちゃう様な天才が「天才肌」と言うのだからもう訳が分からない。羽生氏の対局は多数動画として挙げられているがその中でも個人的に醍醐味があった対局が以下のものだ。

(YouTube版はこちら。画質悪いしのでニコニコ版がおすすめ。)

 解説は永世棋聖・米長邦雄。まだ若い!それもそのはず、この対局時、羽生氏はまだ五段に過ぎぬ若干18歳の若者だった。もちろんその強さは注目はされていたのだが、このNHK杯の優勝をもって一気にスターダムへと駆け上がった。破った相手が全員名人経験者(大山康晴(3回戦)、加藤一二三(4回戦 = 準々決勝)、谷川浩司(準決勝)、中原誠(決勝))というのがまた羽生氏の「持っている」所だなぁと思う。この5二銀は加藤一二三氏(ニコニコ動画などでもお馴染みの人気棋士。こちらもまだ若い!)との対戦中に出た1手。棒銀派の加藤氏に対し積極的に棒銀で攻め始める羽生氏。イラッとした感じのひふみんが可愛い。そして中盤もつれながら進み最終局面、伝説の手が打たれる。解説中、米長氏は羽生氏を「羽生クン」と呼び上から目線バシバシ(それに値するぐらいの人だったわけだが)この5二銀が出た瞬間に雄叫びを上げた。それ程に素晴らしい手だったわけだ。この手が出る前に「この局は歴史に残る名局になるかも知れません」とボソッと言っていた米長氏が印象的だった。その前に打ってた2七香も素晴らしかったなぁ。

 実際に自分で将棋を打つようになってきてから多数のビデオを観ているのだがホントに凄い手。そして、この時の羽生氏の鬼気迫る表情や目線。シビれる。もう触れたら切れそうなぐらい。ビデオ後の感想を述べる羽生氏との違いが面白い。そういえば武豊も普段は温厚だが時と場合によっては鬼神の如くなる時がある。

 しかしこの対局以前に行われていた新人王戦が森内名人(この人も同じ歳だ)との決勝だったとはまた運命は凄い。一番最初は小学生のデパートでの大会で当たっているらしいけど。

 将棋、奥が深すぎますよ…。